ナフサの代替・リサイクルの波が必然なわけ

今回のイラン情勢不安で露呈して"ナフサ"の問題。
多くの人はナフサが原油由来であり、それからプラスチックや医療品までさまざまな分野で現代社会を支えていることが知りましたね。
そうなると、素朴な疑問が出て来ます。
これ、原油を使わない未来に、ナフサをどうするの?って問題です。
原油を使わなくなった未来のナフサ調達どうする?
原油を分解する過程で出てくるのがナフサなら、原油利用ゼロ時代になったら、ナフサもゼロに?って、今のさまざまな便利グッズどうするの?って話です。
そうなると何かに替える必要があるわけで、代替ルートがいくつかあるようです。
1、バイオナフサ
植物油や廃油、バイオマスなどからナフサ相当の物質を作る。
2、合成ナフサ
これが究極の技術。工場から排出されるCO2と水素から、合成原油を作り、ナフサを抽出する。CO2削減にもつながります。
3、リサイクル
使い終わったプラスチックやポリエステルをナフサに戻す。
ナフサの高騰がコスト問題を吸収する
代替ルートの大きな問題はコストです。原油由来と比べて、2,3倍のコストになってしまうことから、なかなか代替が進んでいませんでしたが、今回のナフサ高騰で価格差が一気に縮まりました。
おかげで将来の脱炭素社会に向けて、一気にすすめて価格差を圧縮する好機ともいえます。
レアメタルの調達が問題になったとき、電化製品やバッテリーの回収が"都市鉱山"と言われましたが、こちらのナフサ高騰から注目されるのが"都市油田"です。
日常生活の多くにプラスチックやポリエステル、ポリウレタンなどが使われていますが、かつてはせいぜい細かく砕いて1回限りの再利用するのが精いっぱいでした。技術は進歩しました!
今では分子レベルまで分解し、再び製品に戻せる。中古から無限に新品を作り出せる、スーパーサイクルが可能になりはじめています。
ヒートテックなどが"3年でダメ"に秘められた理由
ユニクロのヒートテックは、3シーズンが買い替え時とアナウンスされています。
“性能が落ちるから"という説明で、「そうか保温性能が落ちるなら買いかえるか」って一般の人は思うくらいでしょう。
裏側は、ポリウレタンの劣化です。
現代の衣類の多くで採用されているポリウレタンは、ストレッチ性能を生み出す魔法の繊維です。
しかしこのポリウレタンの残念な特性があって、空気中の水分や紫外線で劣化、分解する加水分解しちゃうんです。これが3年目くらいから始まるのです。
ポリウレタンが劣化してくると繊維が伸びきってしまい隙間が出来てくると保温性能が落ち、本来の暖かさが感じられなくなるという仕組みです。
首元が伸びたなぁ、着丈が伸びたなぁと感じることがあったら、それは劣化のサインなわけです。
捨てられる前に回収してリサイクルする
衣類がボロボロになったら捨てられてしまいますが、3シーズンの段階では捨てるほどのボロボロになってないはずです。
そこでリサイクルをかけます。
まだそのまま着れるものは古着として、それ以外は最新技術のケミカルリサイクルで分子レベルまで分解し再び新しい繊維に戻すスーパーサイクルが完成しようとしています。
この分解で大切なのは、ポリウレタンやエラストマーがボロボロ、ベタベタになる前に回収することなのです。
ボロボロ、ベタベタになってしまうとポリエステルの回収が難しくなってしまうので酷い状態になる前に回収したいのです。
まだ着れる、まだ使えると思うところでリサイクルに回す。
もったいないと思って使いきって捨てて焼却されてしまうほうが、資源の面でいうともったない、温室効果ガスを出す話なのです。
スマホケースの回収もされるようになるはず
この3年リサイクルの問題、ポリウレタンの劣化問題が無ければ3年以上使えるとも言えるんです。
そこで最近では、加水分解しにくい素材へ交代が進もうとしています。
そうなれば、3年といわず、5年、10年使い続けることが可能になります。
スニーカーの底がボロボロと加水分解したり、家電の滑り止めグリップがベタベタになる問題も解消されるようになります。
スマホのケースも最近ではリサイクル可能なTPEが多いです。昔はTPU(ポリウレタン系)だったのが今は"TPE"って書いてあることが多いと思いますが、熱可塑性エラストマーといって、熱で変形できるのでスマホにぴったりサイズに変えられるので用いられているのと、熱で変形できるので再びリサイクルしやすいのです。
TPEはリサイクルできるから捨ててしまうのでなく、今後はキャリアショップや量販店でスマホケースの回収がされるようになるでしょう。
買い替えたり、売却しに行くときには、キャリアショップや量販店に行くので、理にかなった回収ルートだと思います。
プリンタインクやバッテリーの回収ボックスの横にスマホケース回収ボックスが並んでるのはもうすぐだと思います。
今のナフサ問題は、本気でリサイクル社会になる大きな転換点かもしれません。




